平和大通りNHK前交差点の南、徒歩1分に立地するドイツ料理店。豚すね肉を皮ごと煮た後、オーブンで焼く「シュバイネハクセ」が名物で、肉本来の味が楽しめるという。髙橋和弘オーナーは、
「本場の味や雰囲気を伝えるよう意識しています。市内でドイツ料理店は珍しいのか、外国人の来店が多い印象。米軍の隊員が岩国から来てくださることも」
食材は現地からの取り寄せが基本だが、ソーセージはコロナの影響を受け隣国オーストリア産で、野菜は鮮度を重視し国産を使う。酒はドイツらしさにこだわり厳選する。
「ドイツワインは甘いと思われがちですが、食事に合う辛口のものを中心にそろえています。生ビールはドイツ産2種に加え、国産の銘柄も。飲み比べてもらうと、ドイツの豊かな風味と日本のあっさりした飲み口、それぞれの特徴を感じられますよ」
中区南吉島に事務所を構え、主に同人誌印刷を手掛けています。
生粋の広島生まれ広島育ちですが、父親の影響で阪神ファンでした。小学3年生の頃にカープがリーグ初優勝し、お祭り騒ぎに。普段は厳しい担任の先生がうれしさのあまり授業中に突然泣きだしたのが衝撃的で、かなり印象に残っています。高校時代はカープの黄金期。友達はカープファンだらけで、その頃から自然と私も鯉党になっていましたね。当時はそごう広島店の時計台近くにテレビがあり、高校2年生のある日の夜、友達と優勝の懸かった試合中継を食い入るように見ていた。優勝が決まった瞬間、街はまさに歓喜の渦。興奮状態のまま、6〜7人の友人と街中の知らないおじさんを捕まえては胴上げをした記憶があります。
25年ぶりのリーグ制覇を懸けた2016年9月10日は、敵地の東京ドームまで声援を届けに行きました。巨人の投手がデッドボールを当ててしまい、現場は乱闘寸前になるなどピリピリムードの中、ホームランを打った鈴木選手と松山選手の活躍もあり、四半世紀ぶりに悲願達成。新井選手と黒田投手が喜び抱き合っている姿に私も胸がいっぱいになりました。現地で胴上げの瞬間を見ることができたのはうれしかったですね。
一番好きな選手は、バットコントロールがたくみな西川龍馬選手。縁があって「西川龍馬選手後援会」の幹事をしています。彼が大阪府出身ということもあり、会員は関西人が多い。残留が決まり一安心です。来季はぜひ首位打者を目指してほしいですね。
残暑厳しい9月中旬。東京都の離島、神津(こうず)島から高校生18人が修学旅行で初めて安芸太田町を訪れた。1泊2日の日程。3、4人に分かれて五つの家庭に民泊。初めは互いに少々緊張気味だったが、畑作業や稲刈りなどに汗を流すうち、いっぺんに打ち解け若い歓声がはじけた。
2008年度から広島湾ベイエリア・海生都市圏研究協議会(池田晃治会長)が粘り強く誘致活動を展開してきた民泊主体の体験型修学旅行。コロナ禍で約2年半中止していたが、同町が先陣を切り一部再開。感染対策を講じ、コロナ下での実施を検証した。
広島〜山口県の9市6町の自治体や商工会議所、商工会などが行政エリアを超えて官民一体の組織をつくり、誘致活動も二人三脚。旅行社や学校からのオファーは途切れることがない。23年度の予約状況は10月1日現在で民泊50校6300人、屋外での選択別体験プログラム10校1486人に上る。民泊事業の受入母体として周防大島町(山口県)、江田島市、大崎上島町、安芸太田町、北広島町、福山市沼隈・内海町、庄原市、佐伯区湯来町の8地域協議会が実働する。トップには各自治体の首長クラスが就く。これが安全安心な受け入れ態勢の源になり、突発的な事柄にも素早く対応できる。
修学旅行生一人当たり消費額1万3000円で試算すると、過去最高だった19年度116校1万5093人で約2億円。体験料の75%が民泊家庭やインストラクターに分配される仕組みで、同事業の継続につなげる。受入2万人が視野に入った矢先、コロナ禍に遭遇。研究協議会設立20年を機に辞任すると決めていた初代運営委員長の中村成朗さん(中村角会長)からバトンを受け、20年7月に就いた佐伯正道運営委員長(広島朝日広告社会長)は、
「当時、中村委員長に民泊の離村式に呼び出されたのが発端。たったの一泊なのに涙を流して別れを惜しむ生徒の姿を見て正直、驚いた。中村さんは協議会設立に際して各市町のトップを訪問し、熱心に協力を求めた。決して労を惜しむことなく毎年、足しげく旅行社などを訪れて民泊による体験型修学旅行の価値を説いた。ありのままの自然や地元の人との温かい触れ合い、日頃できない体験が、修学旅行生の感動を呼ぶのでしょう。高齢化にコロナ禍が追い打ちをかけ、いまは民泊家庭の確保が大きな課題になっている。安芸太田町は少人数の受け入れだったが手応えを実証できた。先輩が切り開いてきた道筋の先に、さらに何をなすべきか、何ができるか。工夫を重ねながら将来への可能性を探っていきたい」
民泊の担い手は、わが孫とも年齢の近い若者と接する楽しさややりがいとともに、教育と地域振興に役立つボランティアの意識が強い。民泊を終え、自宅に帰っても〝第二の故郷〟との間で文通を続ける生徒も多いという。
今秋ようやく、平和公園などに修学旅行の大型バスが列をなす光景が戻ってきた。民泊によって平和学習とセットで県内泊につながる契機になり、卒業後いつかまた、広島を訪れてくれるよう願う。
来年5月に「G7広島サミット」がある。国内外に広島の良さを売り込む大きなチャンスを逃す手はない。